サイゾーくん、4月17日は何の日かわかる?
いちまつネコです。
お兄ちゃんの誕生日!
そのとおり!ゆきの13歳の誕生日だね。
(ゆきむらは去年の夏に12歳で他界)
亡くなったら誕生日は数えてはダメとかいうけど、今日はゆきむらの話しをしようと思うんだ。
13年前の6月
我が家に、真っ白の小さな子猫がやってきた。
よく見ると頭に黒い小さな模様があったけど、他は真っ白な子猫だった。
*頭頂部の黒い模様は、キトンキャップと呼ばれる白猫の特徴。1歳くらいで自然に消えてしまう。ゴーストマーキングともいわれている。
ユーホーキャッチャーのぬいぐるみくらいの大きさで、本当に小さかった。
ゆきむらのママは白猫で、長女の大学の敷地内に住んでいたノラ猫ちゃん。
猫好きの教授がなんとなく気にかけていたので、一部の学生たちも何となく知っていた。
そしてある日、道路で轢かれた白猫を学生の一人が目撃。
あのネコではないかと騒ぎになり、学生たちが子猫たちの居場所を探し出した。
縞柄の猫が4匹、真っ白が2匹の6匹の猫が、帰るはずのない母ネコを待っていた。
学生たちは声を掛け合って引き取り手を探していた。
そのうちの1匹が我が家にきた ゆきむらだった。
大反対のパパ
突然ゆきむらを連れてきた長女は、パパの大反対に戸惑った。
パパの言い分はいろいろあったけれど、つまりは猫が苦手だったらしい。
過去に猫を飼った経験はないんだけれど、親戚の家にいた猫が得体のしれない動物にみえていて怖かったんだとか。
でも、ゆきむらの経緯を聞くと情が深いパパは
「新しい飼い主がみつかるまでは、うちで面倒をみる。」
ということで合意。
今だから言えるけど、パパ以外の家族は「しめしめ」と思っていた。
ちょっと変わった子猫だった
新しい飼い主がみつかるはずもなく(私たちにその気がないので)、ゆきむらと命名された子猫はすくすく育った。
保護したときは生後2ヶ月くらいと獣医さんにいわれたので、6月現在からさかのぼり、誕生日は4月17日と決めた。
それにしても生後2ヶ月といえば、まだまだ親離れの(乳離れ)歳ではない。
それなのにゆきむらは、甘えたところがない。
人肌が恋しいんじゃないかと思うのだが、抱っこは嫌がるしひざにも乗らない。
あのネコ特有のスリスリ(我が家では、スネこすりというのだが検索すると妖怪がでてくるw)も滅多にしてこない。
それに子猫なのに、滅多に鳴かないのである。
「子猫って、もっと甘えるイメージなんだけど。」
パパ以外は全員そう思っていた。
そんなツンとしたゆきむらだけど、お昼寝をするときは何故かパパにくっついていた。
(自宅兼事務所なので、お昼は自宅でとる)
毎日、絶対パパにくっついて寝るのだ。
ゆきむら七不思議のひとつ(七つも無いかな?)
でも、これが功を奏して、ゆきむらはパパにも可愛がられるようになる。
野生児ゆきむら
一年がたつ頃には、ゴーストマーキングもほぼ消えて、真っ白な精悍な姿になっていった。
絵本に出てくるような、白猫だった。
しかしその姿とは違い、やることはすごかった。
生後5か月くらいで去勢手術をしたのだが、1週間後に抜糸と言われていたのに、3日後には自分で抜糸してしまった。
それに脱走と、家の中でマーキング。
これは日常茶飯事。
去勢手術をしたのにもかかわらず、脱走したがるしマーキングをするので頭を抱えてしまった。
(去勢をすると、おとなしくなると言われている。)
網戸は破るし、襖に穴をあける(障子より襖の被害大)食器棚の上に上るしで。
「猫なんか飼うんじゃなかった・・・。」と思う日々。
猫ってこんなだっけ
そんなとき気づいた。
私以外、ゆきむらに手を焼いてる人は家族にいないということに。
もちろん私がいちばん世話をしていたのもある。
しかしそれ以上に家族たちは
「猫ってこんなもんでしょ。」
って感じていたのだと思う。
私以外の家族は、猫をはじめて飼ったので固定観念がなかった。
だから酷いいたずらをしても
「もう・・・しょうがないな~。」
で、済んでしまっていた。
とくに末っ子ちゃんは、ずーと観察に徹していた。
幼いながらの純粋さで、ゆきむらにくっついて回ってひたすら観察していた。
(この経験が後に、猫に対する観察眼になっていく 大げさ?w)
一方、私は実家で猫を飼っていたので、そのネコと比べてしまっていた。
自分の知ってる猫と全然違っていたのだ。
ゆきむらが何かしでかすたびに
「猫ってこんなだっけ?違うと思うんだけど。」
この考え方から、抜け出せないでいた。
ゆきむら大人になる
私の方もようやく、ゆきむらっていう猫と思えるようになっていた。
「この子はこういう子」と思えるようにはなっていた。
ゆきむらも6才になって、猫としても落ち着いてきていた。
体格もいちばん良いときだったと思う。
年賀状用に撮影。もちろん寅年。
そしてその頃に、母離れしたサイゾーがやって来た。
庭でくつろぐゆきむらに、ベッタリと張り付いて離れなくなった。
ゆきむらは嫌がっていたが、あまりにも懐いてくるサイゾーが可愛くて、飼うことに決めてしまう。
そしてゆきむらは一週間、熱を出してしまった。
獣医さんには風邪と言われたけれど、私はサイゾーが家に入って来たストレスだと思っている。
お兄ちゃんになった ゆきむら
獣医さんの勧めもあり、ゆきむらは子供部屋がある2階。
サイゾーは1階で飼うことにした。
ゆきむらが居ないからか、サイゾーは家族がいるリビングには入って来なかった。
廊下で暮らしている感じだった。
一方2階のゆきむらは、すっかり熱も下がって元気になった。
元気になったからか、1階に行きかがった。
迷ったけど(サイゾーがいることで再び具合が悪くなるかも?)1階に下ろしてあげた。
いつもの日向ぼっこポイントに飛んで行った。
そこには先客でサイゾーがいた。
ケンカになるかと固唾をのんで見守ると、ゆきむらは怒りもせずサイゾーの毛づくろいを始めた。
もちろんサイゾーは大喜び。
ゆきむらが受け入れてくれたんだと思ったら、涙がでてきた。
まったりな晩年
ゆきむらの性格を一言でいったら気難しい猫。
ゆきむらは自分が猫という自覚があんまりなかったように思う。
だから家族に、ゆきむらカーストがあった。
- パパ(未だに納得できない)
- 長男くん(七不思議のひとつ)
- 次女ちゃん(一緒に寝ていた)
- やっと私・・・と、末っ子ちゃん
- 最下位は、ゆきむらの命の恩人といってもいい長女ちゃん
おい・・ごはんくれって言ってるよな?の顔。
長女ちゃんの場合は、途中でお嫁さんにいって、そこで猫を飼っていたからだと思う。
こともあろうに、その猫を連れて遊びにきたのである。
その一回のことで、ゆきむらはへそを曲げ、カースト最高位から最下位になったのである。
旅立ち
その後ゆきむらは、10歳で口内炎を発症し11歳で腎臓病がわかり、約1年の闘病の末、去年6月に旅立ってしまう。
家族全員がペットロスになった。
もちろんサイゾーも。
サイゾーだけになって、ゆきむらの存在感の凄さを感じる日々。
サイゾーは、とにかく猫らしいネコでおとなしい。
脱走もしないし、トイレ以外でマーキングもしない。
吐くときも、ゆきむらのようにわざわざ高い場所に上ってからしない。
ごはんをくれって、背中に噛みついたりしない。
自分の意見が通るまで、鳴いたり襖を破壊したりしない。
でも、家族が落ち込んでたり具合が悪いと、ぜったいに様子を見に来て鼻チョンをしていた。
・・・ゆきむらの良い所は・・それだけだった。(泣)
猫とは思えない子だった。
私にしてみれば、もう一人旦那がいるようだった。
気難しくて面倒で、手のかかる猫だった。
でも、大好きだった。
家族みんなが大好きだった。
ゆきむらも家族が大好きだったよね。
ゆきむら12年間楽しかったね。
ありがとう。
そして・・またね。
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