ボクのしっぽ…真っ直ぐじゃないの。
お母さんも、チビお姉ちゃんも「かわいい!ハートの形に見える。」って言ってくれる。
でも、ボクはちょっと淋しい気持ちになるんだ。
このしっぽはね、ボクが生まれた時、ママがあんまり体を舐めてくれなかったから、真っ直ぐにならなかったの。
勘違いしないでね。ママは優しかったんだよ。
でもね…体が弱かったの。
兄弟全部の体を舐めるのは、とっても大変なんだ。
ボクが生まれた時には、ママは疲れ切ってたんだ。
その後も、ママは大変そうだった。
でも、毎日おっぱいを一生懸命飲ませてくれたよ。
それでもだんだん、おっぱいだけじゃお腹が空いちゃうようになって…。
ボクは、食べ物を探しに出掛けたんだ。
カラスがゴミ捨て場で、袋を破って何か食べてたのを見て、食べ物があるのが分かったの。
カラスってスゴイって思った。
だから「君たちは、羽根があるネコなの?スゴイね。」って言ったの。
そしたら「オレ達は今、腹が一杯なんだ。良かったな。」って言ったの。
「どういうこと?」って聞いたら、「腹が減ってたら、子猫のオマエなんぞ、一つつきさ。」
その後に「カー!」って鳴いたら、あっちこっちで「カー!」って聞こえて…怖かった。
羽根があるのは、ネコじゃないって覚えた。(怖かった)
ボクは少しずつ、安全な道を覚えてエサの在処も覚えたの。
でも、いつもお腹は空いてた。
ママは、寝てることが多くなってた。
一度、ママに白っぽいお肉を持って行ったの。
「美味しいね。これは、鶏肉だね。ありがとうね。」って。
ボクも、その味は大好きなの。
ママも好きなんだね。同じだねって、嬉しかった。
また探してくるねって、出掛けたら遠くに来ちゃって、そこに真っ白なカッコイイ猫ちゃんがいたの。
ピッカピカで真っ白で、こんな猫ちゃん見たことなかった。
思わず「お兄ちゃーん!」って言って側にいったの。
「げっ!」って言って、お兄ちゃんはビックリしてた。
「スゴイね!真っ白ネコちゃん初めて見たよ。カッコイイね!」って言ったの。
「うるせーな!あっち行け!」って言われたけど、ボクは全然怖くなかったんだ。
しばらく側にいたけど、ママを思い出して帰ったの。
それから、毎日毎日お兄ちゃんのところへ行った。
お兄ちゃんのところは、面白いことがたくさんあった。
人間も苦手だったけど、この家の人は乱暴したりしなかった。
お兄ちゃんに聞いたら「オレにメロメロだからな。」って、ちょっとよく分かんない説明だった。
それから、お兄ちゃんは飼い猫っていうネコだから、美味しいご飯を食べてた。
それもスゴく羨ましかった。
でもある日、お兄ちゃんがお母さんって呼んでる人が
「もう寒いから、お家に入る?」って言ってくれた。
スゴく羨ましかったご飯もくれた!
スーパー美味しかった!
ボク!お兄ちゃんと同じ飼い猫になる!
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