キジトラネコの気持ち(1)

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ネコの行動

ボクのしっぽ…真っ直ぐじゃないの。

お母さんも、チビお姉ちゃんも「かわいい!ハートの形に見える。」って言ってくれる。

でも、ボクはちょっと淋しい気持ちになるんだ。

このしっぽはね、ボクが生まれた時、ママがあんまり体を舐めてくれなかったから、真っ直ぐにならなかったの。

勘違いしないでね。ママは優しかったんだよ。

でもね…体が弱かったの。

兄弟全部の体を舐めるのは、とっても大変なんだ。

ボクが生まれた時には、ママは疲れ切ってたんだ。

その後も、ママは大変そうだった。

でも、毎日おっぱいを一生懸命飲ませてくれたよ。

それでもだんだん、おっぱいだけじゃお腹が空いちゃうようになって…。

ボクは、食べ物を探しに出掛けたんだ。

カラスがゴミ捨て場で、袋を破って何か食べてたのを見て、食べ物があるのが分かったの。

カラスってスゴイって思った。

だから「君たちは、羽根があるネコなの?スゴイね。」って言ったの。

そしたら「オレ達は今、腹が一杯なんだ。良かったな。」って言ったの。

「どういうこと?」って聞いたら、「腹が減ってたら、子猫のオマエなんぞ、一つつきさ。」

その後に「カー!」って鳴いたら、あっちこっちで「カー!」って聞こえて…怖かった。

羽根があるのは、ネコじゃないって覚えた。(怖かった)

ボクは少しずつ、安全な道を覚えてエサの在処も覚えたの。

でも、いつもお腹は空いてた。

ママは、寝てることが多くなってた。

一度、ママに白っぽいお肉を持って行ったの。

「美味しいね。これは、鶏肉だね。ありがとうね。」って。

ボクも、その味は大好きなの。

ママも好きなんだね。同じだねって、嬉しかった。

また探してくるねって、出掛けたら遠くに来ちゃって、そこに真っ白なカッコイイ猫ちゃんがいたの。

ピッカピカで真っ白で、こんな猫ちゃん見たことなかった。

思わず「お兄ちゃーん!」って言って側にいったの。

「げっ!」って言って、お兄ちゃんはビックリしてた。

「スゴイね!真っ白ネコちゃん初めて見たよ。カッコイイね!」って言ったの。

「うるせーな!あっち行け!」って言われたけど、ボクは全然怖くなかったんだ。

しばらく側にいたけど、ママを思い出して帰ったの。

それから、毎日毎日お兄ちゃんのところへ行った。

お兄ちゃんのところは、面白いことがたくさんあった。

人間も苦手だったけど、この家の人は乱暴したりしなかった。

お兄ちゃんに聞いたら「オレにメロメロだからな。」って、ちょっとよく分かんない説明だった。

それから、お兄ちゃんは飼い猫っていうネコだから、美味しいご飯を食べてた。

それもスゴく羨ましかった。

でもある日、お兄ちゃんがお母さんって呼んでる人が

「もう寒いから、お家に入る?」って言ってくれた。

スゴく羨ましかったご飯もくれた!

スーパー美味しかった!

ボク!お兄ちゃんと同じ飼い猫になる!

 

 

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